浄土真宗では
「歎異抄」と「教行信証」の2つの本が有名みたいですけど
どう違うんですか?
「歎異抄」も「教行信証」も
どちらも親鸞聖人のお言葉が書かれていますが
書いた人が違うんです
「歎異抄」も「教行信証」も、
どちらも親鸞聖人のお言葉であり、浄土真宗ではとても大事な本です。
親鸞聖人ご自身が書かれたものが「教行信証」
親鸞聖人の言葉を弟子の唯円(ゆいねん)が書いたものが「歎異抄」です
根本聖典と言われているのが教行信証で、核となる書籍です。
歎異抄は美文で知られていることから、
もしかすると歎異抄の方を知っている方の方が多いかもしれません
この2冊の違いは何か?について、この記事では解説していきます
歎異抄と教行信証は作者が違う
歎異抄には、親鸞聖人のお言葉が書かれていますが
書いた人は「唯円(ゆいねん)」というお弟子さんです
歎異抄と教行信証は、作者が違います
どちらも親鸞聖人のお言葉なので、
歎異抄も教行信証も、両方とも親鸞聖人が書かれたもの
と思われている方もありますが、実は違うんです
歎異抄の作者は唯円
歎異抄を書いたのは、親鸞聖人のお弟子である唯円(ゆいねん)です
親鸞聖人の言葉ですが、親鸞聖人が書かれたものではないんです
「歎異抄」という本のタイトルも
「親鸞聖人のおっしゃったことと異なることが言われていることを嘆いた本」
という意味です。
歎異抄の本文中にも「親鸞聖人は〇〇のようにおっしゃいました」
という文章がいくつも出てきています。
そこからも、親鸞聖人を師事する人が書いたんだろうな、と予想できます。
たしかに、歎異抄には「~とおっしゃいました」という意味の表現がありますね!
教行信証の作者は親鸞聖人
教行信証は親鸞聖人が筆をとられた書籍です
亡くなるまで、何度も修正されたと言われています
親鸞聖人が、救われた喜び、教えの根幹を
直筆で書かれていることもあり
浄土真宗の根本聖典と言われています
親鸞聖人が、ずっと書いては消してを繰り返して
作り直されたのが教行信証なんですね!
歎異抄と教行信証それぞれの構成
歎異抄と教行信証は、それぞれ構成も違います
歎異抄は言行録
歎異抄は親鸞聖人がおっしゃったお言葉を記されたものです。
たとえば、歎異抄の第7章をみてみましょう
念仏者は無碍の一道なり。その謂いかんとならば、信心の行者には、天神・地祇も敬伏し、魔界・外道も障碍することなし。 罪悪も業報を感ずることあたはず、諸善もおよぶことなきゆえに無碍の一道なりと云々。
歎異抄 第7章
末尾が「~と云々」となっています。
これは、「~と親鸞聖人はおっしゃいました」という意味です
つまり、歎異抄は親鸞聖人のお言葉をおさめられた言行録ということです。
教行信証は教えと引用
教行信証の構成ですが、親鸞聖人ご自身のお言葉は漢文で書かれ、その内容の根拠となるものを書き下ろし文で書かれています。
根拠となるものとしては、経典の御文もありますし、七高僧方の書物からの引用もあります。
これは、どういうことかというと、親鸞聖人が勝手に自説を作り上げて述べているのではない、ということです。
「更に親鸞珍らしき法をも弘めず」とおっしゃっておられるように、オリジナルの教えではなく、仏教そのものを伝えられているという証拠でもあります。
ひとりよがりの考えじゃないですよ、という強い意志で書かれているのがすごいですね!
歎異抄も教行信証も大事なことが教えられている
このように、歎異抄と教行信証には違いがありますが、共通しているのは親鸞聖人のお言葉であること、浄土真宗の教えの非常に大事なことが含まれているということです
難しく感じられるところもあるかと思いますが、親鸞聖人の教えを理解するには大事な2つの書物です
ひとつひとつ、分かりやすく解説していきますので、どうぞ、続けて聞いて下さい
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